雲龍図

Laxeropヒストリー

Laxerop(ラージェロップ )技術の開発は、まさに、トライアンドエラーの連続でした。


横須賀にある満昌寺様。
1年に一度だけ、美しい庭園や、横須賀市指定文化財の雲龍図、松虎図、山水図を拝観する事が出来ます。

これらの襖絵は、古の昔、絵師 斉藤海信により描かれたものです。
当初は、この襖絵を高解像度でデジタル化をする事を、ご要望されていました。

大切な重要文化財ですから、それを高解像度(1000dpi相当)にて、デジタル化する。
しかし、それだけでは、日本伝統である襖絵の質感や、絵師、表具屋さんの心意気が伝わりにくい、、のも事実です。

日本古来の襖絵を感じる、、、それを体感して頂きたいという想いを、感じました。

大きさは、等倍の襖では大きすぎるので、1/2にして、屏風にしてはどうか?との、ご提案でした。
そこで、顧問・デザイナーとも考えて、面積を襖の1/2にする事を、ご提案しました。
これですと、風格もあり、持ち運びも割と簡単、と考えた訳です。
それでも、屏風としては最大級で、高さ120cm x 最大幅360cm です。

レーザープリンターの開発や、各種印刷技術の研究や実験を、長年行って来ましたが、
この襖絵の質感を再現するには、和紙への印刷は当然と考えましたが、
墨絵の質感を出すには、苦労が伴う事は明白でした。

そこで、如何に、粗面である和紙に、墨絵の質感を保ちつつ画像形成をするか?
継時変化も考慮して、どの様な印刷技術が良いか?
様々なアイデアを、オフィスの機器などを用いて、実験しました。

市販の材料を買い漁り、実験…
また、失敗、これも、失敗…
そんな事は、今までも経験していましたが、、、

脳裏に浮かぶのは、
「この襖絵を、しっかりと屏風にさせて頂きます。」と、
満昌寺のご住職と、先代のご住職に、お約束した事でした。

ある夜、また、失敗か、、、
と思っていたのですが、
良く見ると、新たな現象が!

これだ!と深夜にも関わらず、歓喜の声を上げたのでした。

次の日に、その材料メーカー様に、電話と電子メール。
でも、製法的に、要望のものを作るには、相当の設備投資が必要との事。

やはり、無理かも、、、
でも、やってみるしか無い。

あるメーカー様から、この材料なら、出来ます!
有難うございます!!
そして、別のメーカー様からも。

こうして、Laxerop(ラージェロップ )の基本的な材料を、開発する事が出来ました。

試行錯誤を繰り返し、
絵師 斉藤海信と、当時の表具師の心意気を、地で行く。

考えてみますと、これだけの襖絵を書くのは、昔であっても、相当のプロジェクトだった筈です。

実は、雲龍図のLaxerop(ラージェロップ )印刷は、本番の印刷をするまでに、何回も行いました。
色校正では、知り合いの印刷会社様にも、お世話になりました。
1曲で15枚。1隻4曲の屏風ですから、トータルで60枚。
しかも、重なり合う部分は、和紙を4層に精密に重ねて、専用の和包丁にて、体重を掛けて一息に切る。
一箇所でも、失敗すると、印刷からやり直しです。

職人の方々の気持ちが、わかりました。

この包丁も、専用の定規も、そして、畳一畳以上もある専用のカッティングマットは、
日本橋にある老舗の和紙屋さんに、メーカー様を教えて頂きました。

そして、襖絵の屏風印刷が出来あがりました。

勿論、この印刷物を屏風にするには、老舗の屏風屋さんにお願いしました。
やった事が無いけれど、やってみましょう!
こうして、Laxerop(ラージェロップ )屏風が出来上がりました。

その間、友達の友達アーティストから、クリスタルグラスへのフルカラー 印刷の打診。
様々な、画像形成技術も研究していましたので、こちらもトライアンドエラーです。

ある日、今まで失敗していた事を、もう一度、少し変化を加えてやってみました。

あっ、ひょっとして行けるかもしれない、、、。
まだまだ、この品位では、グラスには合わない、、、。
その後の改良に、1年以上、、。

こうして、透明感があり、色鮮やかな、フルカラー のLaxerop(ラージェロップ )グラスが、出来上がりました。

クリスタルグラスに、透明感と色鮮やかな絵を、どうしても描いてみたい、、。
そう思う様になりました。
印刷技術に、30年以上も携わって来ましたが、芸術品としての画像形成を行いたい、、。

その画家の方に、勇気を出してお願いしました。
快諾して頂けて、本当に嬉しかったのを、思い出します。

その後、前日に一度は断念した 海外の展示会に、行く事にしました。
しかし、そこで、あるアーティストの絵を見て、とても共感しました。
ポジティブなエネルギーに満ち溢れている。

この絵を、グラスに描いて見たい、、、。
そう思い、そのブースに何度も足を運びました。
カタコトの英語で、話し掛けて見ました。

そして、新たなプロジェクトを、発進する事になりました。 

今書かせて頂いた事以外に、多くの方々から、アドバイスを頂戴しました。 

尚、このLaxerop(ラージェロップ )技術の開発には、東京都港区の新製品・新技術補助金を使わせて頂きました。
本当に、有難うございます。

Laxerop(ラージェロップ )技術の開発や、製品開発において、
満昌寺様、多くの友達・知人、そして、アーティスト様や、関係者の方々に、心より御礼を申し上げます。

Lxerop Story

Laxeropの開発経緯、現在、そして、今後の動画です。
お世話になっている、横須賀満昌寺様、数名のアーティスト様も、掲載させて頂きました。